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水産仲卸のインボイス対応:卸売市場特例と適格請求書

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制度文/Sabaku 編集部

この記事は、水産仲卸の現場で使われている販売管理システム Sabaku の開発チームが、実際の導入・運用をもとにまとめています。

この記事の要点

  • 仲卸のインボイス対応は「仕入側」と「売上側」の 2 つの立場に分けると整理しやすい。
  • 仕入側:市場での委託販売分の仕入は「卸売市場特例」の対象とされ(対象は認定を受けた中央・地方卸売市場等)、卸売業者等が作成した書類(仕切書など)の保存で仕入税額控除を受けられるとされる(国税庁 No.6497)。買取分などは通常どおりの扱いになる場合がある。
  • 売上側:仲卸が適格請求書発行事業者なら、得意先へ登録番号・税率別・税率ごとの消費税額を記載した適格請求書を交付する。
  • 適用可否は取引の実態で変わるため、顧問税理士・国税庁で確認する(本記事は影響の整理)。

インボイス制度(2023 年 10 月開始)で、仲卸は「仕入」と「売上」の両方に関わります。 特に水産をはじめ生鮮食料品を扱う市場取引には卸売市場特例という仕組みがあり、一般的な会計解説だけでは見落としやすい論点です。仕入側は認定を 受けた市場を通じた委託販売分が仕切書等の保存で仕入税額控除を受けられるとされ、売上側は 適格請求書発行事業者なら、求められた得意先への適格請求書の交付が必要になります。

仲卸は「仕入側」と「売上側」で立場が違う

適格請求書(インボイス)は「売手が買手に、正確な適用税率や消費税額を伝える書類」です。 仲卸は市場や大卸から仕入れる買手であり、同時に得意先へ売る売手でもあります。だから 2 つの立場に分けて考えると整理できます。

市場・大卸仲卸得意先仕入側卸売市場特例(仕切書を保存)売上側適格請求書を交付
仲卸は「仕入側(卸売市場特例)」と「売上側(適格請求書の交付)」の2つの立場を持つ。

卸売市場特例とは:委託販売分は出荷者の交付義務が免除される(仕入側)

卸売市場特例とは、認定を受けた卸売市場を通じて委託販売される生鮮食料品等について、出荷者(産地・生産者など)の適格請求書の交付義務が免除される 仕組みのことです。買手である仲卸は、適格請求書に代えて卸売業者等が作成した書類(仕切書など)の 保存で仕入税額控除を受けられるとされます。仕入側で押さえる線引きは 2 行です。

  • 委託販売分(特例の対象):出荷者の交付義務が免除され、仲卸は仕切書等の保存で仕入税額控除を受けられるとされる。 相手が免税事業者かどうかを問わない。
  • 買取分・市場外の直接仕入(特例の外):通常どおり適格請求書が必要になる場合がある。相手が免税事業者なら経過措置の割合の話になる。

出典は農林水産省「卸売市場特例の対象となる卸売市場について」(交付義務の免除・対象市場)と国税庁 No.6497「仕入税額控除のために保存する帳簿及び請求書等の記載事項」の「卸売市場特例等に係る書類」(買手の書類保存)です。

対象になる卸売市場

対象は、卸売市場法の認定を受けた中央卸売市場・地方卸売市場と、これらに準ずる市場として農林水産大臣の確認を受けた市場です(豊洲などの中央卸売市場は認定を受けており対象に含まれます)。せり等で 相手ごとにインボイスを受け取りにくい委託取引を想定した特例なので、同じ市場での取引でも 買取分は区別して扱う必要があります。

中央卸売市場

農林水産大臣の認定

地方卸売市場

都道府県知事の認定

準ずる市場

農林水産大臣の確認

卸売市場特例の対象市場(いずれも認定・確認を受けた市場)。
委託販売=出荷者のインボイス交付義務は免除出荷者(産地)卸売市場卸売業者(大卸)仲卸仕切書等を保存→ 仕入税額控除
出荷者→卸売市場(委託)→卸売業者→仲卸。仲卸は仕切書等の保存で仕入税額控除を受けられるとされる。

売上側:得意先への適格請求書

仲卸が適格請求書発行事業者として登録している場合、課税事業者の得意先から求められたら、 適格請求書を交付する義務があります。記載事項は、自社の登録番号、税率ごとに区分した対価の額と適用税率税率ごとに区分した消費税額など(国税庁 No.6625)。請求書づくりの実務は水産卸の請求書、Excel で手作りするのをやめるで扱っています。

Sabaku の請求書一覧画面。得意先ごとに締日・請求期間・請求額が並び、まとめて出力できる。
売上側=Sabaku の請求書一覧(実際の画面)。得意先ごとの締日でまとめて出力できる。

販売管理での対応

仕入側・売上側とも、日々の伝票を一元管理しておくと制度対応がしやすくなります。

  • 売上側:自社の登録番号を帳票に記載し、税率別(8% 軽減/10%)に区分した請求書を発行できる。
  • 仕入側:市場からの荷受データ(CSV)を仕入として取り込める。特例に必要な書類の保存そのものは、電子帳簿保存法など制度の要件に沿って別途対応する。

※本記事は制度の影響を整理したものです。個別の適用可否や帳簿・書類の具体的な要件は 取引の実態により異なります。必ず顧問税理士や国税庁の案内でご確認ください。

まとめ

仲卸のインボイス対応は「仕入=卸売市場特例で書類を保存」「売上=適格請求書を交付」の 2 軸で捉えると整理できます。どちらも、日々の仕入・売上を一元管理しておくことが基盤に なります。

Sabaku ではどうなるか

Sabaku は市場からの対応形式の荷受データ(CSV)を仕入として取り込み、売上側では適格請求書を発行できます。ただし特例に必要な書類の保存そのものは、電子帳簿保存法など制度の要件に沿って別途対応が必要です。※特例・要件の適用可否は取引実態により異なるため、最終判断は税理士・国税庁でご確認ください。

仕入CSV取込・請求書の画面を見る

よくある質問

Q. 卸売市場特例とは、ひとことで言うと何ですか?

A. 認定を受けた中央・地方卸売市場等を通じて委託販売される生鮮食料品等について、出荷者(産地・生産者など)の適格請求書の交付義務が免除される仕組みです。買手である仲卸は、適格請求書に代えて卸売業者等が作成した書類(仕切書など)の保存で仕入税額控除を受けられるとされます。対象は委託販売分に限られ、買取分などは通常どおりの扱いになる場合があります。個別の適用可否は顧問税理士や国税庁でご確認ください。

Q. 市場で仕入れた分の仕入税額控除は、どんな書類で受けられますか?

A. 卸売市場を通じた委託販売分は卸売市場特例の対象とされ、適格請求書に代えて卸売業者等が作成した書類(仕切書など)の保存で仕入税額控除を受けられるとされています。対象は認定を受けた中央・地方卸売市場等での委託販売分で、買取分などは通常どおり適格請求書が必要になる場合があります。個別の適用可否は取引の実態により異なるため、顧問税理士や国税庁でご確認ください。

Q. 仲卸は得意先へ必ず適格請求書を出す必要がありますか?

A. 適格請求書発行事業者に登録している場合、課税事業者の得意先から求められたら交付する義務があります。自社の登録番号・税率ごとの区分・税率ごとの消費税額などの記載が必要です。

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