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残品入力で鮮魚の廃棄ロスを見える化する(棚卸差異の見方)

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実務文/Sabaku 編集部

この記事は、水産仲卸の現場で使われている販売管理システム Sabaku の開発チームが、実際の導入・運用をもとにまとめています。

この記事の要点

  • 理論在庫=前日残品+仕入−売上−廃棄。本日の実地(残品入力)との差が「棚卸差異」で、マイナス=不足(ロス)。
  • 残品入力=その日の実地の数を記録する。理論在庫との差から、記録に残らない不足(ロス)が把握できる。
  • 廃棄はその都度「廃棄入力」で記録する。廃棄は理論在庫から引かれるので、記録済みの廃棄と原因不明のロスが分かれる。
  • 毎日つけるほど原因に早く気づける。ロスや商品別の偏りは日報(商品別)で見る。

鮮魚は日持ちしないぶん、売れ残り・廃棄のロスが利益を削ります。ロスは「なんとなく多い」 で終わらせず、数で見えるようにすると手が打てます。残品入力を毎日つけると、実地の数と 理論在庫の差=棚卸差異として、記録に残らない不足(ロス)が数字で見えます。

棚卸差異とは:理論在庫と実地の数の差

棚卸差異とは本日残品−理論在庫、つまり実際に数えた在庫数と、帳簿の上でこれだけ残っているはずという理論在庫との差の ことです。マイナス(実地のほうが少ない)は不足=ロス、プラス(実地のほうが多い)は 超過を意味します。鮮魚のように日持ちしない商材ほど、この差が利益に直結します。

棚卸差異でロスが見える

理論在庫は、前日の残品にその日の仕入を足し、売上と廃棄を引いて出します。これに対して、 実際に残っている数を数えて入れるのが本日の残品入力です。本日残品が理論在庫より少なければ、 その差(マイナス)が、売上・廃棄として記録されていない不足=ロスです。

理論在庫前日残品仕入売上廃棄
本日残品理論在庫棚卸差異(マイナス=ロス)

本日の実地(残品)が理論在庫より少ないと、その差(マイナス)が不足=ロスとして見える。

本日残品と理論在庫(前日残品+仕入−売上−廃棄)の差が棚卸差異。マイナス=不足(ロス)。

数字で見るとこうなる

たとえば、ある商品で前日の残品が 8 ケースあったとします。その日に 40 ケース仕入れ、44 ケース売り、傷んだ 2 ケースを廃棄入力しました。理論在庫は 8 + 40 − 44 − 2 =2 ケース。ところが夕方に数えたら残りは 0 ケースだった——この−2 ケースが、売上にも廃棄にも記録が残っていない不足(ロス)です。「なんとなく合わない」で 終わっていた分が、商品ごとに数で出てきます。

差異の符号で当たりをつける

原因の見当は、差異の符号だけでかなり絞れます。マイナスなら「出た記録が足りない」、 プラスなら「入った記録が足りない」と読むのが基本です。

  • マイナス(不足):数えた残品が理論在庫より少ない。売上の計上漏れ・廃棄の記録漏れ・数え間違いのどれかが 多い。純粋なロス(原因不明の不足)もここに出る。
  • プラス(超過):数えた残品が理論在庫より多い。仕入の計上漏れ・売上の過大計上・数え間違いを疑う。

廃棄は「廃棄入力」で分けて記録する

捨てたものは、その都度「廃棄入力」で記録します。廃棄は理論在庫から差し引かれるので、 記録した廃棄は棚卸差異には出ません。差に出るのは、廃棄として記録されなかった不足 (原因不明のロス)です。これで「記録済みの廃棄」と「原因不明のロス」を切り分けられます。

差異が出たら見る順番

差異が出ても「誰かのミス探し」にする必要はありません。記録のどこが抜けたかを、 次の順で確認すると当たりがつきます。

  • 売上の計上漏れ:現金売り・少量の追加分・サービス品を入れ忘れていないか(マイナス差異で最も多い)。
  • 廃棄の記録漏れ:捨てたのに廃棄入力していない。廃棄入力すれば差異ではなく廃棄として残る。
  • 数え間違い・単位の取り違え:ケースと本、重量と本数を取り違えていないか。
  • 仕入の計上漏れ:プラス差異のときは、入れたのに未計上の仕入がないかを見る。

毎日つけると原因に早く気づける

残品・廃棄をその日のうちに入れておくと、残品履歴に残品が計上日・確認者で積み上がります。 ロス(棚卸差異)や商品別の偏りは、日報(商品別)で確認できます。後日まとめて数えると、 「どの商品が・どの日に」ロスを出したのかが混ざってしまい、原因にたどり着けません。 毎日つけるほど、痛みやすい商品・売れ残りやすい曜日といった偏りが 早く見え、仕入量や値付けの調整に回せます。

見えたロスを仕入・値付けに戻す

ロスは、見えるようにするだけでは減りません。減らせるのは、見えた偏りを翌日の判断に 戻したときです。たとえば「この商品は毎週この曜日に残りやすい」と分かれば、その曜日の 仕入量を絞る、早めに売り切る値付けにする、といった手が打てます。棚卸差異と廃棄は、 担当者の勘を数字で裏づけ、仕入 → 販売 → 残品の一巡を翌日に活かすための 材料になります。日報(商品別)で商品ごと・担当者ごとに見れば、どこに手を打つかが絞れます。

まず主力商品から始める

全品目を一度に数え始めると続きません。まずは扱い量が多く、ロスが出ると痛い主力商品から 残品・廃棄を毎日つけるのが現実的です。数品目でも毎日続けば、その商品の棚卸差異の傾向が 見えてきます。習慣になってきたら対象を少しずつ広げる——という順で定着させると、無理なく 続けられます。

まとめ

廃棄ロスは「数で見える化」して初めて減らせます。本日残品と理論在庫の差(棚卸差異)を その日のうちに突き合わせ、廃棄は分けて記録する。差異が出たら符号で当たりをつけ、 記録の抜けを一つずつ確認する。これを毎日続けるのが、ロスを小さくする基盤になります。

Sabaku ではどうなるか

Sabaku は本日残の入力で在庫を残し、理論在庫(前日残+仕入−売上−廃棄)との差=棚卸差異を見える化します。残品の記録は粗利計算の材料にもなり、廃棄や棚卸差異をその日の数字として確認できます。

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よくある質問

Q. 棚卸差異とは何ですか?

A. 帳簿上これだけ残っているはずという理論在庫(前日残品+仕入−売上−廃棄)と、実際に数えた本日残品との差です。マイナス(実地のほうが少ない)は不足=ロス、プラスは超過を意味します。マイナスなら売上の計上漏れ・廃棄の記録漏れ・数え間違い、プラスなら仕入の計上漏れを疑うと当たりがつきます。

Q. 残品入力と廃棄入力は何が違いますか?

A. 残品入力はその日の実地の在庫数を記録するもの、廃棄入力は捨てたものを記録するものです。両方があると、ロスの内訳(廃棄として記録した分か・原因不明の差か)が分かれます。

Q. 毎日やらないとだめですか?

A. 後日まとめて数えると、どの商品・どの日にロスが出たか分からなくなります。その日のうちに入れておくと、ロスの原因(商品・時間帯)に早く気づけます。

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