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粗利を「月末の集計」から「今日の数字」に:商品別・担当者別の日報

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実務文/Sabaku 編集部

この記事は、水産仲卸の現場で使われている販売管理システム Sabaku の開発チームが、実際の導入・運用をもとにまとめています。

この記事の要点

  • 「今月は儲かったのか」を月末の集計まで待つと、値付け・仕入の見直しが後手に回る。商品別・担当者別の日報を使うと、その日のうちに商品ごとの粗利金額・粗利率が見える。
  • 日報の粗利は在庫の流れから日次で出す。売上原価=前日残+仕入−本日残、粗利=売上−売上原価。仕入伝票の原価を1明細ずつ突き合わせて出すのではない。
  • 並べ替えは 2 軸。商品別(商品→担当者)と担当者別(担当者→商品)で見られ、営業部・商品でも絞れる。誰の・どの商品の粗利が薄いかがその場で分かる。
  • 前提は「その日の売上・仕入・残品をその日に入れておく」こと。締めを月末に集中させない設計と対になる。

「今月は儲かったのか」——その答えを月末の集計まで待っている仲卸は少なくありません。 ですが鮮魚は日々値が動き、商品ごとに粗利の出方も違います。粗利を月末の集計から「今日の数字」に変えると、値付けや仕入の見直しをその日のうちに回せます。商品別・担当者別の日報なら、粗利 金額・粗利率は在庫の流れ(前日残+仕入−本日残=売上原価)から日次で出ます。

本日の粗利(商品別)粗利率粗利金額サーモン C18%¥13,014ボタンエビ 大29%¥21,743カレイ 小46%¥1,200サケ C56%¥15,400
商品ごとに粗利率・粗利金額がその日のうちに並ぶ(担当者日報の一部)。

なぜ月末集計だと遅いのか

粗利を月末にまとめて出す運用は、判断が一手遅れます。鮮魚は入荷も相場も日々動くため、 「この商品は粗利が薄い」「この担当の値付けが甘い」と気づくのが翌月になると、直せるのは 次の月からです。粗利がその日のうちに見えると、翌日の値付け・仕入の量を早く調整できます。月末の集計は「結果の確認」であって、 「判断の材料」には間に合わないのが実情です。

日報は粗利をどう出しているか(在庫の流れから)

日報の粗利は、仕入伝票の原価を 1 明細ずつ売上に突き合わせて出すのではなく、その日の在庫の流れから算出します。使う式は次の 3 本です。

  • 売上原価=前日残+仕入−本日残:その日に減った在庫が、そのまま売れた分の原価になる。
  • 粗利=売上−売上原価:売上から上の売上原価を引いたものが粗利金額。
  • 粗利金額=売上金額+本日在庫金額−仕入金額−前日在庫金額:上の 2 本を金額でまとめた形。日報はこの式で計算している。

日報の各行には、この計算の材料と結果がそのまま並びます。

  • 前日残:前日の残品(=その日の期首在庫)。
  • 仕入:その日に入れた分。
  • 売上:その日に売れた分。
  • 廃棄:廃棄入力で記録した分。
  • 本日残:その日の実地の残品(=期末在庫)。
  • 棚卸差異:理論在庫と本日残の差(マイナス=不足=ロス)。
  • 粗利金額・粗利率:上の式で出た粗利と、売上に対する比率。

材料のうち本日残はその日に数えて入れる必要があります。残品(本日残)をその日に入れておくほど、粗利の精度が 上がります。

この出し方には利点があります。仕入 1 本ずつに原価をひも付ける手間なく、日々の在庫と売上さえ入っていれば粗利が日次で出ること。逆に注意点は、本日残の入力が抜けると売上原価がずれるため、残品入力が粗利の前提に なることです。廃棄は残品入力・廃棄入力で分けて記録しておくと、ロスと粗利の両方が正しく見えます。

商品別・担当者別で見ると何が変わるか

同じ数字でも、並べ替えの軸で気づけることが変わります。日報は商品別(商品→担当者)担当者別(担当者→商品)の 2 軸で見られ、営業部や商品でも絞り込めます。担当者別に見れば「この担当は粗利率が 全体的に低い」、商品別に見れば「この魚はどの担当でも薄い」といった傾向が、粗利率の 並びからその場で読めます。粗利率が低い行に早く気づけると、値付けの基準(相場表)の見直しや、仕入量の調整につなげられます。

Sabaku の担当者日報。担当者ごとに商品を並べ、前日残・仕入・売上・廃棄・本日残・棚卸差異・粗利金額・粗利率を表示する。
担当者別の日報。商品ごとに粗利金額・粗利率がその日のうちに並ぶ(Sabaku の担当者日報画面)。

前提:その日の数字をその日に入れる

日報が「今日の数字」になるかどうかは、その日の売上・仕入・残品をその日に入れているかで決まります。入力を後回しにすると、日報も後追いになり、判断の速さという肝心の効果が 消えます。締めを月末に寄せず日々の業務に分散させる設計にしておくと、日報は自然と埋まります。 その考え方は締め業務を月末に集中させない設計で扱っています。

まとめ

粗利を「月末に集計して初めて分かるもの」から「今日の数字」に変えると、値付け・仕入の 判断が一手速くなります。日報の粗利は在庫の流れ(前日残+仕入−本日残=売上原価)から 日次で出るので、仕入原価を明細ごとに突き合わせる手間はありません。商品別・担当者別の 2 軸で薄い粗利に早く気づき、翌日の一手に活かす——これが日報の使いどころです。実際の画面は機能一覧で確認できます。

Sabaku ではどうなるか

Sabaku はその日の売上・仕入と在庫(前日残・本日残の残品入力)から粗利を日次で計算し、商品別・担当者別の日報として残します。月末の集計を待たず、今日の粗利を日報でその日のうちに確認できます。

日報(粗利)の画面を見る

よくある質問

Q. 日報の粗利は仕入伝票の原価から出しているのですか?

A. いいえ。その日の在庫の流れから出します。売上原価=前日残+仕入−本日残、粗利=売上−売上原価という計算で、仕入 1 本ずつに原価をひも付けるわけではありません。だから本日残(残品)をその日に入れておくほど精度が上がります。

Q. 商品別の日報と担当者別の日報はどう違いますか?

A. 商品別は商品を先に、担当者別は担当者を先に並べます。見たい軸で選び、営業部や商品でも絞れます。「どの商品が薄いか」を見たいなら商品別、「誰の値付けが甘いか」を見たいなら担当者別が向きます。

Q. 粗利がその日に見えると、何に使えますか?

A. 翌日の値付けや仕入の量の調整に使えます。粗利率が低い商品・担当者にその場で気づけるので、月をまたがずに手を打てます。

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