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販売管理システムを自社開発すべきか:仲卸の作る・買う判断

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比較文/Sabaku 編集部

この記事は、水産仲卸の現場で使われている販売管理システム Sabaku の開発チームが、実際の導入・運用をもとにまとめています。

この記事の要点

  • パッケージは高い・自社の運用に合わない、という理由で販売管理システムの自社開発(内製)を検討する仲卸は少なくない。運用にぴったり合わせられ、席数課金の不安もない、という魅力は事実。
  • ただし販売管理システムは「作って終わり」ではない。初期開発費だけでなく、保守・インフラ運用・属人化(作った人が辞めたら)という続くコストがかかる。
  • いちばん見落とされやすいのが、続く制度対応。インボイスの経過措置・電子帳簿保存法(いずれも施行済み)に加え、食料品消費税の1%引き下げ(軽減税率の税率変更。2026年8月時点で政府の基本方針・法案は未成立)など、自社開発だとこれを毎回自前で改修し続けることになる。
  • 自社開発が妥当な仲卸もある(社内に開発・保守体制があり、要件が極端に特殊で長期にコミットできる場合)。多くの仲卸には、御社仕様に作り込めるカスタマイズ型のクラウド(SaaS)という第3の道が総コストを抑えやすい。

パッケージは高く運用に合わない——だから自社開発、と考える仲卸は少なくありません。 運用にぴったり合わせられる魅力は本物です。ただ、販売管理システムは作って終わりではなく、保守・毎年の制度対応・属人化という続くコストがかかります。作る前に総コスト(TCO)で「作る vs 買う」を見比べておくことが、後悔しない判断につながります。

自社開発が魅力に見えるのは自然です

自社開発(内製)には、パッケージにはない魅力があります。まずはそこを正直に押さえます。

  • 自社の運用・伝票・締めのやり方にぴったり合わせられる(既製品に業務を寄せなくてよい)
  • アカウント数や機能ごとの課金という料金の不安がない
  • 仕様を自分たちでコントロールでき、必要な改修を自分たちの優先順位で決められる

これらは実際のメリットです。問題は「作る費用」よりも、作った後にずっと続く費用が見えにくいことにあります。

見えにくいのは「作った後」に続くコスト

販売管理システムは一度作れば終わりではありません。初期開発費は見えている一部にすぎず、 その後も次のような継続コストが積み上がります。

自社開発(内製)費用のかかり方初期費がまとめて制度対応(毎年)毎回自前で改修保守・属人化作った人に依存運用に合う自由だが作り切る個社カスタマイズ型クラウド費用のかかり方初期費+月額で平準化制度対応(毎年)更新で届く(確定に合わせ対応)保守・属人化提供元が保守運用に合う標準+作り込みで対応
自社開発(内製)と個社カスタマイズ型クラウドの比較。初期費用だけでなく、毎年の制度対応・保守/属人化・運用フィットまで含めた総コストで見比べる。
  • 保守・改修:不具合対応・機能追加・OSやライブラリの更新が続く。使い続ける限り終わりません。
  • インフラ・セキュリティ運用:サーバー・バックアップ・障害対応・アクセス管理。止まると業務が止まります。
  • 属人化:作った担当者や外注先に依存し、その人が辞める・離れると改修が止まる。仕様書が残らないことも多い。

これらは「作れるかどうか」ではなく「作った後に払い続けられるか」の問題です。初期見積もりでは 小さく見えても、数年単位では初期開発費を上回ることも珍しくありません。

いちばんの落とし穴は、毎年来る制度対応

続くコストの中でも見落とされやすいのが、消費税や帳簿まわりの制度対応です。ここ数年、 水産仲卸に関わる制度変更が続いており、今後も予定されています。

パッケージやクラウドなら、こうした制度対応は提供元の更新で届きます(新税率など確定前の 制度は確定に合わせて対応されます)。とくにクラウド型は、全利用企業が同じ最新版を共有する 仕組みのため、制度対応が入れ替え作業なしで全社に届きます(会社ごとに環境が分かれる従来型の パッケージ・オンプレは、導入時の版のまま古くなり、上げるのに費用がかかることがあります)。 自社開発だと、制度が変わるたびに自分たちで仕様を調べ、改修し、テストすることになります。制度対応はたびたび発生するため、ここが継続コストの中でも重くなりがちです。 なお、自社が特例・経過措置に当たるか等の細部は税理士・所轄で確認する前提は変わりません (提供元に任せられるのは、システム側の改修を自前で抱えずに済む部分です)。

それでも自社開発が妥当なのはどんな仲卸か

自社開発が向くケースもあります。次のすべてに当てはまるなら、内製も選択肢になります。

  • 社内にシステムを継続して保守できる開発体制がある(一人に依存しない)
  • 業務要件が極端に特殊で、既製品やカスタマイズでは表現しづらい
  • 初期費だけでなく、保守・制度対応まで含めた長期の投資に会社としてコミットできる

逆に、開発を一人の担当者や単発の外注に頼る前提なら、属人化と制度対応が重荷になりやすく、 慎重に考えたほうが安全です。多くの仲卸にとっては、次の「第3の道」のほうが総コストを抑えやすいでしょう。

「運用に合う」と「任せられる」を両立するカスタマイズ型クラウド

自社開発の魅力は「運用に合うこと」、パッケージの安心は「保守・制度対応を任せられること」。 ただ「買う」にも2種類あります——汎用のパッケージ商品と、御社仕様に作り込める個社カスタマイズ型のクラウドです。運用に合わないと感じるのは前者のことが多く、後者は標準機能+作り込みで運用に寄せられます。 3者の違いを総コストの観点で並べると、次のようになります。

運用フィット自社開発(内製)自由に合わせられるが作り切る必要がある汎用パッケージ商品製品に業務を寄せる必要が出やすい個社カスタマイズ型クラウド標準機能+作り込みで寄せられる
費用のかかり方自社開発(内製)初期開発費がまとまってかかる汎用パッケージ商品比較的安い・早いことが多い個社カスタマイズ型クラウド初期費+月額で平準化しやすい
保守・改修自社開発(内製)自前で抱える汎用パッケージ商品提供元(対応範囲は製品による)個社カスタマイズ型クラウド提供元+個社ぶんの作り込み
制度対応自社開発(内製)毎回自前で改修汎用パッケージ商品提供元の更新で届くことが多い個社カスタマイズ型クラウド提供元の更新で届く(確定前の制度は確定に合わせて対応)
属人化自社開発(内製)作った人に依存しやすい汎用パッケージ商品製品側に集約される個社カスタマイズ型クラウド製品側に集約される

「運用に合わない」の多くは汎用パッケージ商品の話で、個社カスタマイズ型クラウドなら作り込みで 寄せられます。Sabakuの場合、受注・仕入・売上の順序や得意先ごとの締日など御社のやり方のまま使え、御社ならではの業務には作り込み(カスタマイズ)で対応します(範囲・費用は要相談)。 過去データの移行・マスタ登録は初期費用に含めて運営が対応し、導入期は軌道に乗るまで伴走します。 インボイス・電子帳簿保存法などへの対応は更新で届きます(新税率など制度の確定前のものは、 確定に合わせて開発を進めます)。技術形態そのものの比較はクラウド販売管理システムは買い切り型と何が違うかも参考にしてください。

まとめ:作る前に確認する3点

自社開発は「運用に合う」魅力がある一方、保守・属人化・毎年の制度対応という続くコストが 見えにくいのが要注意です。作る前に、次の3点を総コストで確認しましょう。①初期開発費だけでなく、 数年分の保守・インフラ・制度対応まで足して見比べる。②作った人が辞めても回るか(属人化しないか)。 ③制度対応を誰が担うか。そのうえで、標準機能の柔軟性+作り込みで運用に寄せられるカスタマイズ型クラウドも 比較対象に入れると、判断の幅が広がります。

Sabaku ではどうなるか

「運用に合う」と「保守・制度対応を任せられる」の両立を狙えるのがSabakuです。御社ならではの業務は作り込みで対応し(範囲・費用は要相談)、インボイス・電子帳簿保存法などの対応は更新で届きます(新税率など制度の確定前のものは確定に合わせて開発)。自社が特例に当たるか等の細部は税理士・所轄で確認を。

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よくある質問

Q. 販売管理システムの自社開発とは?どんな費用がかかりますか?

A. 自社開発(内製)は、販売管理システムを自社や外注でゼロから作ることです。費用は初期開発費だけではありません。作った後の保守・改修、サーバーなどのインフラ運用、法改正への対応、作った担当者に依存する属人化リスクなど、使い続ける限り続くコスト(総コスト=TCO)がかかります。判断は初期費だけでなく数年分の総コストで見比べるのが大切です。

Q. 自社開発とパッケージ、どちらが安いですか?

A. 規模と要件によります。初期費だけを比べると自社開発が安く見えることもありますが、保守・インフラ・続く制度対応(インボイス・電子帳簿保存法や、食料品消費税の1%引き下げのような今後予定される税率変更など)という続くコストを足した総コストで見ると、提供元が更新で対応するパッケージ・クラウドのほうが見通しやすいことが多いです。数年単位のTCOで比べるのがおすすめです。

Q. 自社開発したほうがよいのはどんな仲卸ですか?

A. 社内にシステムを継続して保守できる開発体制があり(一人に依存しない)、業務要件が極端に特殊で既製品やカスタマイズでは表現しづらく、保守や制度対応まで含めた長期投資に会社としてコミットできる——このすべてに当てはまるなら、自社開発も選択肢になります。逆に一人の担当者や単発の外注に頼る前提なら、属人化と制度対応が重荷になりやすいため慎重に検討したほうが安全です。

Q. パッケージは運用に合わないのですが、どうすればよいですか?

A. 標準機能に柔軟性があるパッケージなら、運用に寄せられる場合があります。たとえばSabakuは受注・仕入・売上の順序や得意先ごとの締日など御社のやり方のまま使え、御社ならではの業務には作り込み(カスタマイズ)で対応します(範囲・費用は要相談)。「作らないと合わない」と決める前に、作り込みできるパッケージを試す価値はあります。

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